読書と言語とQubit

物理系大学院生の趣味日記です。読書記録、学んでいる言語について、研究の話など、雑多にゆるゆると書き留めていきます。

留学挑戦記②:Waterloo大学を志願した理由

こんにちは!Kohdaiです。

 

前回、学位留学を志した理由を記しましたが、今回はなぜWaterloo大学を志願したのかをお話していきたいと思います。

さて、海外で学位を取得する道を真剣に模索し始めた私ですが、海外の大学について、恥ずかしながらほとんど知識がありませんでした。(HarvardとかMITとか有名な大学の名前は知っているけど…、程度のものでした)

そこで、指導教官の先生にアドバイスを頂いたり、自分で調べたりしながら大学の情報を仕入れていったのですが、そこで重視したのは、

自分の研究分野を考えて、ベストな大学を選択する

ということでした。

指導教官からかけてもらった次のアドバイスが、私の指針を決めるうえで大きな助けになりました:

「当然有名大学に進むのはキャリア上とても大事だけれど、それよりも自分の分野を見定めて、良い指導者、良い研究環境があるところに行ったほうが良い」

 

私の研究分野は、「量子情報」と呼ばれる物理学の分野です。近年注目されている「量子コンピューター」に関連する分野で、IBMやGoogleなど、企業が量子コンピューターの実現に向け参入してくるなど、研究が年々活発化しています。

これを踏まえて、Waterloo大学を選んだ理由は二つ。

  1. 量子情報の非常に充実した研究所(Institute for Quantum Computing)があること
  2. 近隣に研究関係のStartupも多くあり、産業との連携も図れそうだったこと

 

1について、Waterloo大学は非常に量子技術の研究に力を入れており、Quantum Valley (https://quantumvalleyinvestments.com/)という構想の下、量子技術研究拠点が大学周辺に集中しています。

 現在私が所属しているのは、Institute for Quantum Computing (IQC) という研究所なのですが、ここでは、

  • 純粋数学
  • 応用数学
  • 物理学
  • コンピューターサイエンス
  • 化学

といった多様な分野の研究者、学生が、実験・理論を問わず日々同じ建物内で研究をしています。研究においては、様々な人とコミュニケーションを取り、議論を行うことが必要不可欠です。そういう意味で、多くのバックグラウンドを持つ研究者が、「量子情報」の研究のために一堂に会すこの場所は、私にとって非常に魅力的に映りました。事実、進学した現在となっては、IQCに決めて良かったと思っています。

 

2について、Waterloo大学は非常に産学の結びつきが強く、学生が企業でインターンを行う制度が非常に充実しています。(Co-operative education: https://uwaterloo.ca/co-operative-education/

それと関連して、大学近くに多くのStartup企業があるのですが、大学と協力した量子情報関係のStartupも多く存在します。こうした風土の中で、産業との連携を図った研究にも手を伸ばせそうだと感じたのが二つ目の理由です。

(現在こちらのメリットについては生かしきれずにいますが......)

 

こうした理由からWaterloo大学は私にとって非常に魅力的な進学先となり、私の第一志望となりました。

こうして進学先の指針を定めた私でしたが、出願のプロセスは大変困難なものになりました。次回は出願、結果についてお書きしたいと思います。

それでは!